iDeCoのメリットとデメリットを知る
確定拠出年金には
企業型と個人型がありますが、
個人型確定拠出年金(iDeCo)に限って
メリットとデメリットを確認します。
もちろん企業DCと重なる部分も
多々ありますが、
各々お勤め先の企業年金制度が異なるため、
iDeCoにフォーカスさせていただきます。
マッチング拠出、iDeCo+(イデコプラス)
にも全く触れていませんが、
興味がある方はご自身で調べてみてください。
iDeCoのメリット
iDeCo(イデコ)の最大のメリットは
税制優遇です。
- 積み立て時
- 運用時
- 受け取り時
のいずれにおいても税制メリットがあります。
NISAをすでに始められている方、
検討中である程度調べられた方は
ご存じかと思いますが、
iDeCoとNISAの最大の違いは
まさにこの点です。
どちらか一択ですが、
NISAとiDeCoは併用できます。
iDeCo積み立て時の税制メリット
iDeCoは3つのタイミングで
税制優遇されるメリットがありますが、
その中でも最大のメリットはこの「積み立て時」です。
具体的には、
掛金の全額が所得控除
(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。
年収によっても異なりますが、
実際にどのくらい節税効果があるかというと
2022年6月現在以下の通りです。
| 課税所得 | 税率(%) | 年間の掛金合計額(円) | |||
| 所得税 | 住民税 | 144,000 (12,000/月) |
276,000 (23,000/月) |
816,000 (68,000/月) |
|
| 195万円以下 | 5 | 10 | 21,600 | 41,400 | 122,400 |
| 195万円超 330万円以下 |
10 | 28,800 | 55,200 | 163,200 | |
| 330万円超 695万円以下 |
20 | 43,200 | 82,800 | 244,800 | |
| 695万円超 900万円以下 |
23 | 47,520 | 91,080 | 269,280 | |
| 900万円超 1,800万円以下 |
33 | 61,920 | 118,680 | 350,880 | |
日本は累進課税制度なので、
年収が高い人の方が節税効果が高いといえそうです。
(1,800万円超は割愛)
会社員の場合は生命保険等と同様
会社で年末調整してもらえます。
生命保険等と異なり控除額に制限がなく
全額が小規模企業共済等掛金控除対象
なのは会社員にとってもメリットでしょう。
iDeCo運用時の税制メリット
iDeCo運用時の税制メリットは
投資信託等の運用益が非課税になる
点です。
通常の税率は20.315%です。
その内訳は以下です。
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:2.1%(所得税15%に対して2.1%⇒0.315%)※2037年まで
- 住民税:5%
例えば、200万円の掛金を運用して
倍の400万円になった場合、通常は
運用益200万円に20.315%課税されます。
2,000,000×20.315%=406,300円
2,000,000-406,300=1,593,700円
つまり、通常の投資の場合
200万円の元本が倍に増えたとしても
約40万円が税金として徴収され、手取りは約160万円です。
一方iDeCoで運用して倍額になった場合
200万円の運用益がそのまま取得できます。
iDeCo受け取り時の税制メリット
iDeCoは60歳になるまで
引き出せない老後のための資金で
公的年金制度の一部ともいえるので、
受け取り方はほぼ公的年金と同じです。
年金は非課税ではありません。
受け取り方によって
どのような税制優遇があるか確認します。
老齢給付金として受け取る場合
一番一般的なのは
老齢給付金として受け取る方法です。
老齢給付金の受け取り方法は
以下の2パターンです。
- 年金:年金として分割で受け取る
- 一時金:退職金と同様に一括で受け取る
年金として受け取る場合
雑所得となり公的年金等控除が適用されます。
過去の収入により控除額は異なります。
一時金として受け取る場合
退職所得となり退職所得控除が適用されます。
通常、会社を退職する場合の
退職金の計算は以下のように行います。
会社を退職する場合の控除額は
勤続年数が20年超か20年以下で計算式が異なります。
iDeCoの場合は勤続年数=加入年数
として考え、この控除額に優遇措置が適用されます。
控除額の計算式は以下の通りです。
20年超:800万円+70万円×(加入年数−20年)
20年以下:40万円×加入年数(※最低80万円)
※例えば加入してから1年でも最低80万円となる
障害給付金として受け取る場合
加入期間中に障害を負った場合
障害給付金として受け取れます。
その場合も年金か一時金か
自分で選ぶことができ、
所得税・住民税ともに非課税となります。
死亡一時金として受け取る場合
加入期間中に加入者が死亡した場合
遺族が死亡一時金として請求することが可能です。
ただし、その場合当然のことながら
加入者の死後に受け取ることになるため
相続税の対象となります。
iDeCoのデメリット
iDeCoの最大のデメリットは
過去に何度もお伝えしている通り
60歳以降でないと受け取ることができないことです。
途中で結婚資金や住宅資金にしたり
失業したから生活費に充てたい
と思っても、引き出すことはできません。
老齢給付金受給開始年齢は変更可
iDeCoの老齢給付金受給開始年齢は
加入期間により以下のように決まっています。
| 加入期間 | 10年以上 | 8年以上 | 6年以上 | 4年以上 | 2年以上 | 1月以上 |
| 受給開始 年齢 |
60歳 | 61歳 | 62歳 | 63歳 | 64歳 | 65歳 |
60歳から受給可能なのは
10年以上掛金を積み立ててきた人です。
ただし、必ずしも
60歳から受給しなければならない訳ではありません。
受給開始年齢に到達後は
誰でも、受給を先に延ばすことが可能です。
2022年4月から受給開始の
上限年齢が70歳⇒75歳に引き上げられました。
自分の健康状態や経済状況により
受給開始年齢を先延ばしにできるのは
メリットとも言えますが、
先延ばしにしたからと言って受給額が増えるとは限りません。
運用がうまくいけば増え、
うまくいかなければ減る可能性があります。
専業主婦・主夫には所得控除がメリットにならない
配偶者の扶養家族で所得がない、
もしくは扶養範囲内に抑えている
専業主婦・主夫の方にとっては
せっかくの所得控除制度がメリットになりません。
ご自身の所得控除枠を
配偶者の所得から控除してもらう等の振り替えもできません。
