法人の生命保険

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法人の生命保険

復習:法人契約の生命保険

法人契約の目的

法人が生命保険を契約するのは
退職金準備や事業資金として活用するためです。

主に法人受け取りの保険金や
解約返戻金を活用します。

  • 終身保険:解約返戻金が一定額まで増えていくので、役員の死亡退職金や生存退任する場合の退職慰労金の準備として活用
  • 養老保険:死亡保険金・高度障害保険金の他、満期まで生存した場合は満期保証金が支払われるため、従業員の定年退職金や死亡時に支給する死亡退職金に活用
  • 逓増定期保険:死亡保険金額が増加する定期保険で、解約返戻金のピーク時に退職時期を設定し、退職金準備として活用⇒法改正で2019年7月8日以降は損金算入できる保険料の割合が小さくなった

総合福祉団体定期保険(Aグループ保険)

総合福祉団体定期保険(Aグループ保険)は
従業員の死亡・高度障害の際の退職金
に備える
保険です。

定年退職の場合、保険金の支払いはありません。

  • 1年更新の定期保険なので毎年保険の見直しが必要
  • 保険加入時には、被保険者本人の保険約款に基づく告知、および同意が必要
  • 受取人が法人の場合は、保険金請求時に被保険者の遺族の了知が必要
  • 災害総合保障特約は、不慮の事故で障害・入院給付金が支払われる

従業員が任意加入する
団体定期保険(Bグループ保険)もあります。

ヒューマンバリュー(ヴァリュー)特約

ヒューマンバリュー特約は
従業員の死亡・高度障害に伴う
法人の諸費用(代替雇用者採用・育成費等)
を保障する特約です。

受取人は法人(企業)に限定され、
治療費や入院費は保障されません。

法人の保険料の経理処理

法人が支払った保険料の経理処理

法人が支払う保険料の経理処理方法は

  1. 保険金受取人は誰か
  2. 貯蓄性のある保険かどうか

により異なります。

一般的に保険金の受取人が法人の場合
以下のように扱われます。

  • 貯蓄性がある保険:保険料は経費とならず資産計上される
  • 貯蓄性がない保険:保険料は経費とみなされ損金算入される
保険の種類 保険金受取人
法人 役員・従業員(その遺族)
貯蓄性のある保険
終身保険・養老保険・個人年金保険など
「借方」に保険料積立金として資産計上 「借方」に給与として損金算入
貯蓄性のない保険
定期保険(※)・医療保険・第三分野の保険など
「借方」に支払い保険料として損金算入 「借方」に給与として損金算入

※保険期間3年未満または最高解約返戻金50%以下の定期保険

例)

  • 被保険者が役員・従業員、死亡保険金および満期保険金受取人が法人である養老保険の保険料
    ⇒<貯蓄性あり>支払い保険料の全額を保険料積立金として資産計上
  • 被保険者が特定の役員や従業員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族である定期保険の保険料
    ⇒<受取人が特定の役員・従業員・遺族>支払い保険料の全額を給与として損金算入
    ※被保険者が全従業員なら「福利厚生費」として損金算入
  • 法人契約で死亡保険金受取人が法人の定期保険特約付終身保険の保険料
    ⇒終身部分の保険料は保険料積立金として資産計上、定期部分の保険料は損金算入
  • 法人契約で、被保険者が全役員・従業員、死亡給付金(保険金)受取人が被保険者の遺族、年金受取人が法人の個人年金保険の保険料
    ⇒支払い保険料の10分の9を保険料積立金(または年金積立金)として資産計上、10分の1を給与・報酬(または福利厚生費)として損金算入
契約者 被保険者 死亡給付金の受取人 年金の受取人 経理処理
法人 役員・従業員 法人 法人 資産計上
役員・従業員の遺族 役員・従業員 給与
役員・従業員の遺族 法人 90%年金料積立金として資産計上、残り10%福利厚生費として損金算入

法人が受け取った保険金等の経理処理

契約者(=保険料負担者):法人、
被保険者:特定の役員・従業員、
受取人:法人

である生命保険医療保険から
法人が受け取った入院給付金や手術給付金
全額益金に算入します。

全額、雑収入として益金に算入されるため
課税対象となります。

個人契約の場合入院給付金や手術給付金は非課税となるが、法人の場合は非課税にならない
契約者(=保険料負担者):法人、
被保険者:特定の役員・従業員、
受取人:法人

である終身保険(無配当保険)から
法人が受け取った死亡保険金、満期保険金、
解約返戻金等は


資産計上して、
これまでに資産計上されている
保険料積立金を取り崩し、

保険金額と保険料積立金額との差額を
雑収入または雑損失に計上します。

長期平準定期保険

長期平準定期保険とは、
満期保険金が支払われない掛け捨ての保険です。

解約返戻金や死亡保険金の返戻率が高いため
事業資金として活用されてきました。

2019年7月8日以後、
法人契約の定期保険と第三分野の保険は
損金算入できる割合に以下のような一定枠が設けられました。

最高解約返戻率50%超の定期保険の経理処理

最高解約返戻率 資産計上の期間 資産計上の割合 取り崩し期間
50%以下 なし なし なし
50%超70%以下 保険期間の4割を経過する日まで 当初支払い保険料の40%を資産計上
60%を損金算入)
保険期間の75%期間経過後から最終日まで
70%超85%以下 保険期間の4割を経過する日まで 当初支払い保険料の60%を資産計上
40%を損金算入)
保険期間の75%期間経過後から最終日まで
85%超 当初10年間 支払い保険料×最高返戻率の90%を資産計上
10%を損金算入)
11年目以降~最高解約返戻率となる期間の終了日 ・支払い保険料×最高返戻率の70%を資産計上
30%を損金算入)

2019年7月7日以前の経理処理

  • 保険期間の前半6割相当期間:保険料の2分の1を「定期保険料」として損金算入、残りの2分の1を「前払保険料」として資産計上
  • 保険期間の後半4割相当期間:保険料全額を「定期保険料」として損金算入し、「前払保険料」として資産計上した分を損金算入する

全額損金算入される定期保険の保険料

以下の要件のいずれかに該当する
定期保険の保険料は全額損金算入されます。

  1. 最高解約返戻率が50%以下の定期保険
  2. 最高解約返戻率が70%以下、かつ年間保険料相当額が30万円以下の定期保険
  3. 保険期間が3年未満の定期保険

養老保険のハーフタックスプラン

契約者 被保険者 満期保険金の受取人 死亡保険金の受取人 経理処理
法人 全役員・全従業員 法人 被保険者の遺族 全期間を通じて1/2保険料積立金として資産計上、残り1/2福利厚生費として損金算入

ハーフタックスプランで法人が受け取る
満期保険金は、

資産計上していた保険料積立金を取り崩し、
満期保険金との差額を
雑収入または雑損失として計上します。

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