税額控除
税額控除は所得税額から差し引かれます。
課税対象となる所得の合計額である課税標準から、所得控除を引いたものが課税所得金額です。その課税所得金額に税率を掛けたものが所得税額です。
課税所得金額×税率=所得税額
税額控除の代表的なものとしては
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
- 配当控除
があります。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは、住宅ローンを利用して住居を購入したり、新築したり、増改築したりした場合に、住宅ローンの年末残高の一定割合が一定期間税額から控除される制度です。
★2022年度税制改正の主な変更点は青字
- 控除の対象:敷地と建物を合わせたローン残高のうち、最高で5,000万円までの部分
- 年末残高:一般住宅は4,000万円まで、設定住宅は5,000万円 ★2
- 一定割合:1% ★3
- 一定期間:10年間
原則として2021年12月31日までに
適用を受ける住宅に居住していなければなりません。★1
住宅借入金等特別控除の特例
通常の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の期間は原則10年間ですが、
消費税率10%が適用される住宅の取得等で、2019年(令和元年)10月1日から2020年12月31日までの間に居住の用に供した(2022年12月31日までに居住)の場合は、
一定期間が13年間に延長される特例があります。★6
- 1~10年目:住宅ローンの年末残高の1%
- 11~13年目:住宅ローンの年末残高の1%と、建物取得価格の2%÷3のいずれか少ない金額
住宅借入金等特別控除の適用要件
- 返済期間:10年以上
繰上げ返済をして残りの返済期間が10年未満になっても、契約当初の初回返済月から繰上げ返済による完済予定月までの期間が10年以上あればよい
- 床面積:50㎡以上(特例は40㎡以上)
- 床面積の2分の1以上が居住用
- 控除を受ける年の合計所得金額:3,000万円以下 ★4
※床面積40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下 - 取得日から6か月以内に入居
- 適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住
住宅借入金等特別控除の注意点
- 確定申告が不要な給与所得者であっても、初年度は確定申告が必要⇒2年目以上は不要
- 所得税から控除しきれない場合は住民税から控除できる ★5
- 親族等からのローンの場合は対象外
- 勤務先からのローンの場合は金利1%以上であれば対象
2022年度税制改正による主な変更点
- 2021年12月31日までに居住⇒2025年末まで(4年間延長)★1
- 年末残高の限度額(借入限度額)を住宅の区分に応じて引き下げ ★2
- 控除率の一定割合1%⇒0.7%に引き下げ ★3
- 合計所得金額3,000万円⇒2,000万円に引き下げ ★4
- 所得税では控除しきれない場合の余剰額を住民税から控除できる限度額を引き下げ ★5
- 控除期間を10年から13年に延長する特例措置が終了 ★6
配当控除
配当控除とは、
配当所得金額の10%が税額から控除される制度です。
ただし、課税総所得金額等が1,000万円を超える場合は、1,000万円超の部分が5%となります。
控除の対象となるのは、
確定申告を行い、総合課税を選択したものに限ります。
配当控除の対象外
- 申告分離課税を選択したもの
- 確定申告不要制度を選択したもの
- 上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金
- 外国法人からの配当
J-REITの収益分配金が配当控除の適用を
受けることができない理由は、
株の配当とは異なるからです。
株式の配当は、企業が法人税を支払った後に
残った利益を株主に分配するものです。
そのため、配当を受け取った株主が
所得税を納めると、二重に課税されることになってしまいます。
配当控除とは、
この法人税と所得税の二重課税を軽減するための仕組みです。
一方でJ-REITの収益分配金は、
投資法人が法人税を支払う前の利益を分配したものです。
そのため、二重課税の問題は生じず配当控除の適用対象外となっています。