所得税の基礎知識、対象となる各種所得

D:タックスプランニング(FP2)

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タックスプランニングの項目においても
FP3級で学んだ知識を復習しながら
FP2級の試験に必要な知識を追加していきます。

所得税の基礎知識

復習:所得税の仕組み

税金の課税方式

税金の課税方式には以下の2種類があります。
申告分離課税方式の代表的なものが所得税です。

申告分離課税方式 所得税、法人税、相続税、消費税、法人の住民税・事業税など
賦課課税方式 個人住民税、個人事業税、不動産取得税、固定資産税、自動車税など

賦課課税方式は
国や地方公共団体が金額を計算して
納税者に納付の通知を行う方式です。

所得税の課税方法

  1. 総合課税:複数の所得をまとめて課税する方式
  2. 申告分離課税:他の所得と分けて税額を計算する方法
  3. 源泉分離課税:一定税率で税金が差し引かれる方式
総合課税 給与所得、事業所得、不動産所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、利子所得、配当所得など
分離課税 土地等の譲渡所得、株式等の譲渡所得、退職所得、山林所得など

超過累進課税

超過累進課税は
総合課税の所得税の計算で採用されています。

課税総所得金額が多くなるに従って、
税率が高くなる累進課税の一種です。

課税総所得金額とは、
所得税の課税対象となる金額のことで
総所得金額から所得控除額を差し引いた後の金額を指します。

所得税の非課税所得

  • 社会保険の給付金(遺族年金・障害年金・失業給付等)
  • 健康保険の傷病手当金、雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金、国民健康保険の保険給付等
  • 相続、遺贈または個人からの贈与により取得するもの
    ⇒相続税や贈与税の課税対象となる
  • 給与所得者の1か月15万円までの通勤手当
  • 家具や衣服などの生活用動産の譲渡所得
    ※宝飾品・骨とう品・美術工芸品等は除く
  • 投資信託の特別分配金(元本払戻金)
  • 遺族が受け取る損害賠償金
  • 身体の傷害に基因して支払われる給付金
  • 社会通念上相当の金額の見舞金、補償金、慰謝料、香典
  • 宝くじの当選金、サッカーくじの払戻金

課税対象となるので注意するもの

  • 老齢基礎年金⇒雑所得として所得税の課税対象
  • 法人から贈与されたもの
  • 退職一時金(退職所得)⇒所得税・住民税の課税対象
  • 生命保険の満期保険金や解約返戻金

各種所得

復習:所得税の対象となる10の各種所得

利子所得

利子所得=収入金額

配当所得

配当所得=収入金額-株式等取得のための借入金利子

個人事業主が事業資金で購入した
株式の配当金も配当金所得に含まれます。

配当所得の課税方法

支払い時に以下の金額が源泉徴収されます。

種類 税率 内訳
上場株式等 20.315% 所得税:15%
復興特別所得税:0.315%
住民税:5%
上場株式等以外
・非上場株式
・持株割合3%超の上場株式等
20.42% 所得税:20%
復興特別所得税:0.42%

その上で以下のいずれかを選択します。※原則は総合課税

  1. 総合課税:配当控除が受けられる
  2. 申告分離課税(上場株式等のみ):上場株式等の譲渡損失と通算できる
  3. 申告不要:上場株式等以外は、1回の配当金が10万円以下のものに限る(計算期間1年間)
申告不要制度

申告不要制度とは、
確定申告をせずに源泉徴収で申告を済ませる制度です。

上場株式の配当金は申告不要を選択できます。
ただし、配当控除や源泉徴収税額の控除は受けられません。

不動産所得

不動産所得=総収入金額−必要経費(-青色申告特別控除)

不動産所得は不動産の貸付による所得
(家賃や地代)のみ
を指します。

事業的規模であっても不動産所得となり
総合課税の対象です。

事業的規模とは、アパート等は10室以上、独立家屋は5棟以上の貸付を指す
  • 不動産の売却⇒譲渡所得
  • 食事を供する下宿、保管責任ありの駐車場⇒+αのサービスにより事業所得または雑所得
  • 従業員用アパート、社宅の家賃収入⇒事業所得
  • 建物屋上等の看板設置料⇒不動産所得

総収入金額と必要経費

総収入金額
  • 家賃、地代、礼金、更新料、借地権料、共益費など
  • 敷金、保証金のうち賃借人に返還しないもの
必要経費
  • 固定資産税、都市計画税、不動産所得税、アパート賃貸業に係る事業税
  • 修繕費、損害保険料、火災保険料、減価償却費
  • 賃貸不動産を所得するための借入金の利子
    ※借入金元本返済額は必要経費にならない

事業所得

事業所得=総収入金額−必要経費(-青色申告特別控除)

必要経費

  • 売上原価(商品の仕入れ代金)
    売上原価=年初棚卸高+当年仕入高−年末棚卸高
    最終仕入原価法
  • 販売費用、給与、減価償却費、広告宣伝費
  • 固定資産税、事業税、家賃・水道・光熱費

※所得税、住民税、延滞税、罰金等は必要経費にできない
※同一生計親族に支払う給与、利息、地代家賃は必要経費にできない。ただし、(青色)事業専従者への給与は適正額or一定額まで必要経費となる

減価償却費

減価償却費の計算は
定額法定率法の2種類があります。

「所得税の減価償却資産の
償却方法の届け出」を提出しない場合は
すべて定額法によって計算します。

建物、建物付属設備・構築物(2016年4月1日以後取得分)は定額法
少額減価償却資産

以下のものは減価償却せず、
必要経費として全額損金算入できます。

  • 使用可能期間1年未満か、取得価額10万円未満のもの
  • 青色申告者である中小企業事業者等は、取得価額30万円未満のもの

給与所得

給与所得=収入金額−給与所得控除額

勤務先からの無利息の金銭借入、
商品・土地・建物等の無償(低価格)
譲渡や貸付による経済的利益も給与所得となります。

給与所得者の特定支出控除

通勤費、転居費、資格取得費などの
支出合計額が
給与所得控除額の半額を超える場合、

収入金額から給与所得控除額を控除した
金額からさらにその超える部分を
控除することができます。(確定申告必要)

所得金額調整控除

その年の給与収入が850万円を超え、
以下のいずれかに該当する場合は
給与所得の金額から所得金額調整控除が控除されます。

  1. 本人が特別障がい者である
  2. 23歳未満の扶養親族を有する
  3. 特別障がい者である同一生計配偶者または扶養親族を有する
所得金額調整控除額=(給与等の収入金額−850万円)×10%
※1,000万円上限、総合課税

退職所得

退職所得=(収入金額−退職所得控除額)×1/2

2022年分以後の所得税について
役員以外として勤続年数5年以下の者
の退職手当のうち、

退職所得控除額を控除した残額の
300万円を超える部分については
2分の1課税を適用しません。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数−20年)

確定拠出年金の老齢給付金

  • 年金で受給する場合⇒雑所得
  • 一時金で受給する場合⇒給与所得
「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、他の所得から控除しきれない所得控除額があった場合、確定申告をして退職所得の金額から控除することができる

山林所得

山林所得=総収入金額−必要経費−特別控除額(-青色申告特別控除)

※特別控除額は最高50万円

譲渡所得

種類 課税方法 計算式 税率
一般資産 総合課税 総収入金額−(所得費+譲渡費用)−特別控除額
※特別控除額は最高50万円
土地・建物等 申告分離課税 総収入金額−(所得費+譲渡費用) 短期譲渡所得:39.63%
長期譲渡所得:20.315%
株式 申告分離課税 総収入金額−(所得費+譲渡費用+負債利子) 短期・長期ともに
20.315%

不動産の売却益は譲渡所得ですが、
仲介手数料等は事業所得です。

一時所得

一時所得=総収入金額−支出金額−特別控除額
※特別控除額は最高50万円
  • 契約者と受取人が同じ場合、支払われる死亡給付金⇒一時所得
  • 居宅の立ち退きに際し受ける立退料⇒一時所得
    ※権利消滅の対価は譲渡所得
  • 宝くじの当選金とサッカーくじの払戻金⇒非課税所得
    ※収益の一定割合を自治体に納めるため購入時に納税済み扱い
  • 競馬・競輪の払戻金⇒一時所得
  • 生命保険の配当金⇒年金として受け取ると雑所得、一時金として受け取ると一時所得
総所得金額に合計されるのは、一時所得金額の2分の1

雑所得

雑所得=公的年金等の雑所得+公的年金等以外の雑所得
  • 公的年金等の雑所得=総収入金額−公的年金等控除額
  • 公的年金等以外の雑所得=総収入金額−必要経費